漆喰とは、サンゴ礁などからできた消石灰を主な材料とする、塗り壁材のことを言います。
白く美しい、なめらかな質感が特徴で、外壁から内壁・天井など幅広く用いることができます。
本漆喰は昔ながらの漆喰で「消石灰」「海藻糊(フノリ)」「麻スサ」という3つの材料で作られます。耐久性の高さが特徴で、そのためお城や蔵などの壁にも利用されてきました。
職人さん自身が配合して作るのが伝統的な方法ですが、手間もコストもかかることから、現代、住宅に用いられることは多くありません。
塩焼き消石灰に発酵させたワラを混ぜたうえ、熟成させたものが土佐漆喰です。
ワラを発酵させる際に分泌される糖類がノリの役目を果たすため、材料にノリを使用する必要がなく、雨に強い壁材となるのが特徴です。
土佐漆喰は少し黄色がかった色をしていて、厚塗りで仕上げることが可能。その風合いを活かし、部屋のアクセントとしてなど、デザイン的に用いられることもあります。
生石灰とワラを材料とする「琉球漆喰」は、沖縄県でのみ作られる漆喰です。
耐久性と断熱性が高く、沖縄では、台風の際に瓦が飛ばないよう押さえる屋根漆喰としてよく用いられています。
ワラを多く含むため、土佐漆喰と同じく黄色っぽい色をしていますが、年月が経つうちに紫外線によって白く変化していきます。
漆喰は「呼吸する壁」とも呼ばれ、空気中の水分を吸収・放出する「調湿性能」の高さが特徴です。この作用によって、ジメジメとした梅雨や夏場でも、家の中では快適に過ごせるでしょう。
また、耐火性に優れた素材であるところも大きなメリットです。万が一、家の中で火が出たとしても漆喰の壁には燃え移りにくく、燃えてしまった場合にも、天然素材であるため有害物質が発生しません。
一般的なビニールクロスの壁と比べ、漆喰にはコストがかかります。
材料費そのものが高価であることに加え、塗り重ねていく施工に時間がかかることや、高い技術が必要になることがその理由です。
漆喰の扱いに長けた職人自体も多くはなく、技量によって仕上がりが左右されやすい点も覚えておきましょう。
漆喰は耐久性とデザイン性をあわせ持ち、家に豊かな表情をもたらしてくれる自然素材です。
コスト面などのデメリットもありますが、適切なメンテナンスをしていれば耐用年数は100年以上になるとも言われますので長い目で見ればリーズナブルと考えられるかもしれません。