日本の伝統的な自然素材、和紙。主な材料は楮(こうぞ)や雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)といった植物です。
日本家屋では、昔から障子やふすまに和紙を用いてきましたが、現代では壁紙などにも好まれています。
和紙の産地は「土佐」「美濃」「越前」など日本各地にありますが、中でもポピュラーな「土佐和紙」について解説します。
高知県の土佐市を中心とする地域で作られる「土佐和紙」。その歴史は長く、1000年を超えると言われています。
土佐和紙の特徴として、種類の豊富さと、薄く丈夫であることが挙げられます。
また経年により汚れが目立っていくビニールクロスと逆に、だんだんと風合いが良くなり、味わいが深まっていくのも和紙の魅力です。
和紙を壁紙など住宅の材料に使うことのメリットは、なんといってもその柔らかな風合いでしょう。自然素材ならではのあたたかみや繊細なニュアンスに加え、和紙の繊維が日の光や照明の明かりなどを優しく乱反射させるので、家の中がとてもリラックスできる空間になりそうです。
また、原料が植物なのでシックハウス症候群などのリスクが低く、住む人のからだに優しいところも嬉しいところですね。
植物の皮を原料とする和紙は一度に大量生産することができず、価格が高めになるというデメリットがあります。
ジョイント(壁紙どうしの境目)が目立ちやすく施工が難しいため、職人の技術力によって仕上がりに差が出る点にも注意しましょう。
和紙でできた壁紙は、独特の風合いが魅力的です。
土佐和紙は色柄のバリエーションも比較的豊富なので、和室はもちろん、洋室にもピッタリのものが見つけられるのではないでしょうか。
施工の仕上がりには職人の技術力が大きく影響しますので、和紙の扱いに実績のある業者を選びたいところです。