自然素材の家のメリットは「住む人のからだに優しい」ことが大きな特徴といえます。現代の家づくりにおいて問題となることの多い「シックハウス症候群」とは、住宅の建材に含まれる化学物質を原因とする健康被害のこと。
この対策として換気システムの設置が義務付けられていますが、そもそも化学物質の少ない自然素材で家づくりをすることで、シックハウス症候群の対策ができるのです。アレルギー体質の人や化学物質に敏感な人には、自然素材の家は特に安心な空間になりそうです。
無垢の木材や漆喰、珪藻土などを組み合わせて作られた住まいは、素材の持つ美しい風合いと、自然の中で暮らすような心地よさをもたらしてくれるでしょう。人間は、自然に囲まれた場所にいると心身がリラックスします。
森の中にいるような、深呼吸したくなる気持ちの良さを、家の中で味わえるなんて素敵だと思いませんか?
自然素材には、素材ごとにそれぞれの特質があります。たとえば無垢の木材には湿気を吸ったり吐いたりする「調湿性能」があり、またほんのりとした温かさと足ざわりの良さが感じられます。
漆喰には室内の空気を抗菌するはたらきがあると言われ、珪藻土には消臭効果やカビ予防効果が期待できます。家を快適な空間にするためのさまざまな機能を、自然素材は備えているのです。
無垢材や漆喰、珪藻土などといった自然素材は、そうでない素材に比べ材料費が高くなります。
また自然素材は扱いにも熟練の技術が必要となるので、施工費も高めになったり、工期が長くなる場合もあります。
無垢材のやわらかさは魅力の1つですが、裏を返せばキズやへこみができやすいというデメリットになります。多少のキズならば、やすりをかけるなどの方法で比較的簡単に修復ができますが、大きなキズはそうもいきません。
表面がコーティングされている合板フローリングに比べ、無垢材の床は汚れが落としづらかったり、水にぬれた状態で放置するとシミになりやすい点にも注意が必要です。
無垢材なら伸縮や変形が、漆喰や珪藻土なら乾燥によるひび割れなどの劣化が起こることがあります。
自然素材の家を建てるのならば、経年による変化が起こることは当然と考え、家を育てるような気持ちでメンテナンスを楽しみたいものです。
自然素材の家のお手入れ
(メンテナンス)方法について
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自然の素材には虫が寄ってきそうにも思われますが、実際には、自然素材以外の家と比べて虫が出やすいというわけでは決してありません。とはいえ、前提として適切な掃除や害虫対策は必要となります。まずは家庭でできる対策を知り、もしも個人で対応できないくらいの害虫が発生してしまった場合には、業者に駆除を依頼することも検討しましょう。
自然素材の住宅がどれくらいの年月に耐えられるものなのか、また万が一の地震や火災などの際に危険性はどの程度なのか、気になるところですよね。自然素材は、適切な施工がされていれば高い耐久性を発揮します。具体的にどのような素材にどのような性能があるのか「耐久性」「耐震性」「耐火性」「耐水性」「遮音性」の5つの面から解説します。