断熱材とは、室内と室外の熱を伝わりにくくするため、住宅の内壁と外壁の間などに設置する建材のことを言います。
熱には温かい場所から冷たい場所へ移動する性質があり、断熱されていない住宅では、冬場に部屋の中で暖房を使っても温かい空気はどんどん外へ逃げて行ってしまうのです。
断熱材の原料には「鉱物系」「石油系」「自然系」の3種類があり、自然素材の断熱材はそれ自体が調湿性能を備えていることが特徴です。
セルロースファイバーは、古新聞やダンボールを細かく裁断し、燃えにくい加工を施して作られる断熱材です。フカフカした綿のような素材で、壁や天井などにホースで吹き込み施工をするため、隙間なく充填できるという特徴があります。
自然素材の断熱材の中では非常に多く用いられ、住む人のからだと環境に優しいエコな素材です。
羊毛はウール繊維が縮れて絡み合っているため、 その中に空気をたくさん蓄えることができます。
羊毛の断熱材は、高い断熱性に加えて調湿性があり、夏は吸湿・冬は放湿して室内を快適に保ってくれます。
耐久年数が50年以上と長く、将来的なメンテナンス費用を抑えられる点もポイントです。
ワインの栓に用いられる「コルク樫」は、断熱材としても優秀な素材。コルク樫の木には、天然の防虫成分である「スベリン」が含まれるため、アレルギー対策としても安心して利用できるでしょう。
さらに、コルクを炭化させた「炭化コルク」は、断熱性がより高くなります。
ワインの栓にも使われるように耐水性のある素材なので、水回りに使うのにも適しています。
自然素材の断熱材は、素材自体に調湿性能があり、住まいを快適に保ってくれることが大きなメリットです。
また素材によって、防虫効果や防音効果なども備えているので、プラスアルファとして期待する機能で素材を選ぶのも良いでしょう。
そして自然素材は最終的には土に還るものなので、環境負荷が低いという点も見逃せません。
「鉱物系」「石油系」に比べ、自然素材の断熱材は価格が高くなりがちというデメリットがあります。
施工にも技術が必要となるため、実績などをよく確認し、適切な施工を行える業者に依頼するようにしましょう。
断熱材は表からは見えませんが、現代の住宅において快適・省エネルギーで生活するために欠かせないものとなっています。
自然素材の断熱材は、そうでない素材に比べ価格は高くなりますが、化学物質などを心配する方に選ばれやすい素材といえます。